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はじめての家づくり
-知っておきたい大事なこと-

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住宅に関わる法律②/建物の面積に関する法律(建築基準法)


限られた敷地の中で、どれくらいの広さの建物が建てられるのか。建築基準法では、建築に関するさまざまな基準が定められており、とても細かい部分まで決められています。ここでは、建物の面積に関する法律を紹介します。


<用途地域>

住宅、店舗、工場などが無秩序に建築されると、互いの生活に支障が生じてしまいます。そこで、住宅の環境保護や、商業・工業の利便を増進することを目的とし、都市計画区域内に住居系7種、商業系2種、工業系3種、合計12種の用途地域を定め、その地域に建築できる建築物を制限しています。


そして建築基準法では、各種の指標によって用途地域別に建築物の面積を制限しています。


●容積率
「建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合」を容積率といい、建築物の床面積を制限しています。

容積率=延べ面積/敷地面積

一般に容積率は20/10のように示しますが、200%のように示すこともあります。「容積率20/10」とは「敷地面積10に対して、延べ面積20になる割合」をいい、敷地面積の2倍の延べ面積まで建てることができます。


●法定容積率と道路容積率
法定容積率とは法律によって定められたもので、用途地域ごとに都市計画で定められますが、同じ用途地域でも一律ではなく、それぞれの地域の状況に応じて定められています。

敷地が接する前面道路の幅員が12メートル以上の場合は、この法定容積率だけが適用されますが、12メートル未満の場合は道路容積率も存在し、その敷地の容積率は法定容積率と道路容積率のどちらか小さい方の値となります。

道路容積率は、住居系の用途地域では前面道路の幅員×4/10(その他の用途地域は6/10)で求められます。

(例)第一種住居地域、前面道路幅員6m、法定容積率300%、敷地面積200㎡の場合


前面道路の幅員が6メートルなので、道路容積率は6×4/10=240%。法定容積率より低いため、この土地の容積率は240%になります。したがってこの土地に建てられる延べ面積は、最大で200㎡×240%=480㎡となります。


※1つの敷地が容積制限の異なる地域や区域にまたがっている場合は、それぞれの地域や区域に属している部分ごとの敷地で延べ面積の限度を計算し、これらの延べ面積の合計をその敷地の延べ面積の限度とします。



<床面積に算定される部分とされない部分>

建築物の各階又はその一部で、壁、扉、シャッター、手すり、柱などの区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によります。要するに、壁などで囲まれた各階の床面積の合計を指しますが、すべてが算入されるわけではありません。

<容積率算定の際に床面積として算入されないもの>

容積率の算定にあたっては、いくつかの緩和措置があります。「敷地が狭いから小さな家しか建てられない」とあきらめる前に、緩和措置を上手に使って少しでも有利に家づくりを進めていきましょう。


●ピロティ
十分に外気に解放され、かつ、屋内的用途に供しない部分。
ピロティをカーポートとして利用している家


●ポーチ
原則として床面積として算入しない。ただし、屋内的用途に供する部分は床面積に算入する。
袖壁を立てて大きく張り出した玄関ポーチ


●バルコニー・ベランダ
外気に有効に開放されている部分の高さが1.1m以上あり、かつ外気に有効に開放されている部分の高さが天井の高さの1/2以上あるもので、幅2mまでの部分。


●吹き抜け
吹き抜けは床面積として算入しない

●出窓
下端の床面からの高さが30センチ以上で、周囲の外壁からの水平距離が50センチ未満であり、かつ見付け面積の1/2以上が窓であるものは床面積として算入しない。


Aは床面積として算入しない。
B〜Dの場合は出窓として認められないので床面積に算入する。
B:出窓の下を収納として利用する場合
C:出窓の天井が室内の天井の高さ以上になっている場合
D:出窓の部分が屋根と一体となっていて、下屋となっていない場合

●車庫
ビルトインガレージは、延べ床面積の1/5以内の部分は床面積として算入しない。1/5を超える場合は、1/5を超えた部分を床面積として算入する。

上の図では、建物全体の面積は15㎡+25㎡+40㎡=80㎡。80㎡×1/5は16㎡なので、車庫部分の15㎡は床面積として算入しない。


●小屋裏収納
天井の高さが1.4m以下で、はしごが固定されていないものは、直下階の床面積の1/2までは床面積として算入しない。


●地下室
住宅の用途に供するもので、天井が地盤面からの高さ1m以下である地階は、住宅の用途に供する床面積の合計の1/3までは床面積として算入しない。

上の図では、建物全体の面積は、30㎡+30㎡+30㎡=90㎡。90㎡の1/3は30㎡なので、地階面積の30㎡は床面積として算入しない。


 
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