(6)建築業者……どうやって探す?
さて、住宅計画において最も大きな問題といえるのが建築業者選びです。ここで良い業者にめぐりあえるかどうかが、夢のマイホーム計画の成否に関わると言っても過言ではありません。
住宅計画に強いこだわりのあるユーザーであれば、まず自分たちの建てたい住宅の青写真をしっかり固めてから、それに応えることのできる業者を選ぶという手順で計画を進めるかもしれません。しかし、多くのユーザーは、おぼろげにやりたいことが見えはじめ、資金計画もあやふやな段階で業者選びを始めるのが普通ではないでしょうか。
もちろん、業者を決めたうえで、その業者とともに計画を進めてゆくことは間違いではありませんし、良心的な業者にめぐりあえば、大満足の住宅を実現できるでしょう。しかし、反対に利益優先の業者にぶつかってしまった場合、こちらの持ち駒があまりに少ないと、完全に相手のペースで事を運ばれてしまいます。
そこで、業者選びを始める前に、最低これだけの準備はしておきたいということを次にあげておきます。
◎要望のとりまとめ:家族のやりたいことや希望を詳細に書き出します。できれば、自己流でもよいので図面やスケッチを作っておくと、相手に希望を伝えやすくなります。
◎情報収集:書籍、雑誌、インターネット、口コミなどで、なるべく客観的な情報を可能な限り入手しておくことも重要です。
◎おおまかな予算をたてる:見積りを取ってみないと、どのくらいお金がかかるのかはわからないと思いますが、「この程度までは出せる」という概算は必要です。ですから、あらかじめ資金計画を考えておきましょう。
それでは、建築業者の情報入手にはどのようなルートがあるでしょうか。
●紹介
近隣の評判、親戚や家を建てた人からの紹介などのルートがこれにあたります。近隣の評判は以前では、主要な情報ルートでした。しかし、近所づきあいが希薄となった昨今では、このルートによる情報入手は難しくなっています。また、既築客からの紹介も、職場の知り合いなどが多いようです。
親戚や知人からの情報は、「住宅会社に知り合いがいるから」というような理由で推薦される場合があるのでこれには要注意です。やはり、実際にその住宅会社で家を建て、仕上がりに満足している人からの声(紹介)が、情報の精度として最も高いものといえるでしょう。
●総合住宅展示場
大手住宅メーカーや各地域の有力な住宅会社が出展しています。中小規模の工務店の情報は得にくいといえるでしょう。
●住宅情報雑誌、その他マスコミ情報
住宅情報雑誌は、客観的な記事のような紹介の仕方をしているものもありますが、実際はほとんどが広告です。したがって、より多くのお金を出した企業が大きい扱いを受けることになります。当然、大手住宅メーカーが主役なので、これについても注意が必要です。
●インターネット
最近、特に増えているのがこのルートといわれています。小規模の工務店でもホームページを開設しているところもあるので、検索の仕方によっては、地元の「安心工務店」にヒットすることができます。しかし、ホームページの見せ方はやはり宣伝広告にたけた大手住宅メーカーがうまく、比較すると小規模工務店のそれは見劣りがするでしょう。いずれにせよ、これらも単なる広告宣伝にすぎませんから、業者選びのためのきっかけの一つと考えるのが適当でしょう。また、ここ数年注目されているのがインターネットで建築業者と一般ユーザーを結ぶサイトです。地域の有力会社から小規模な工務店まで、ユーザーの知りたい有益な情報を開示しているので、こちらも参考になるといえます。
●建築士、インテリアコーディネーターを通じて
仕事を依頼した建築士やインテリアコーディネーターから工務店を紹介してもらうケース。日頃から仕事の付き合いがある工務店を推薦してくれるでしょうから、基本的には安心といえますが、現場監理をあまり重視しない建築士やコーディネーターの場合、設計と施工がくいちがってくることもあります。建築士やコーディネーターへの依頼はそういった評判も要チェックです(詳しくは後述)。
●不動産業者を通じて
土地のない人は、まず不動産業者に声をかける場合が多いでしょう。分譲住宅ではすでに建築業者が決まっているので選択の自由はありませんが、できればその建築業者の建築物件や現場を見る機会をつくりたいものです。更地購入の場合、不動産業者が工務店を紹介してくれることもあります。これも、業者選びのためのきっかけの一つと考えるとよいでしょう。
次に、業者選びの注意点をいくつかあげておきます。
(一)義理に流されてはいけない
実際にその建築業者で住宅を建て、その住まいに満足した方からの紹介ならまだ良いのですが、問題なのは義理のある相手から「あそこで建ててやってくれ」と頼まれるケースです。結果的に失敗が多いのもこのパターン。業者側も「あの客は義理立てしているからクレームも少ないはず」とたかをくくって、手抜きをしないとも限りません。人任せの計画は失敗のもとと心得てください。
(二)自分の目と足で確かめる
「紹介」に次いで意外に多いのが、自宅に来る営業マンとのやりとりで、ほとんど話が進んでしまうケース。
洋服や靴でも、ちょっと良いものを選ぼうとしたら、安易に近所のお店で買ってしまう人はあまりいないでしょう。遠出してでもいくつか店を回り、デザインや値段を比較して、気に入ったものを選ぶはずです。住宅のようにお金のかかる計画であれば、なおさらのこと。面倒くさがらずに、自分から相手の会社に出向いたり、その会社が建てた家や建築中の現場を見に行くなど、自分の目と足をフルに使って確かめたいものです。
(三)あわてない
大手住宅メーカーのようにマニュアル的な営業活動をしている住宅会社の場合、必ずユーザーに結論を急がせます。その手段として「今がお買い得」といったキャンペーンを頻繁に行なっているところもあります。例えば「モニターとして月に一度住み心地のレポートを出してくれれば大幅に値引きします」といった誘い。これらは業者側から見れば、交渉中の見込客に契約を急がせる目的で実施するもので、モニターやキャンペーンといったことは値引き販売のための理由付けに過ぎません。このような誘いに乗って、あわてて交渉途中に契約を結んでしまうことは避けるべきでしょう。