(5)知っておきたい住宅関係の法律
私たちは専門家ではないので、住宅に関する法律を細目まで知る必要はありません。しかし、余裕のある人は、以下の2つの法律について自分なりに勉強しておけば、住宅会社のレベルや提案の意図が、よりよく理解できるようになるでしょう。
●建築基準法
建築物を計画する際に守らなければならない技術的な規則を定めた法律です。建物の敷地、構造、設備、用途などに関して、最低限の基準を設けています。
住宅計画は建築基準法により、様々な制限を受けます。例えば、今住んでいる住居を取り壊して、新しい住宅を建てようとするとき、旧居が基準法成立以前に建てられたものであった場合、新居は旧居と同じ大きさで建てることができなくなる可能性があります。これは建築基準法で定められた建築面積や前方の道路の幅などの制限が影響するからです。
この建築基準法に新しく盛り込まれた健康住宅に関わる規制については知っておいて損はないでしょう。
2003年7月に施行された改正建築基準法に、シックハウスに関わる規制条項が盛り込まれました。健康住宅に関する基準が、初めて法的な強制力をもったという点が重要で、施行前から大きな話題となりました。そのポイントは、クロルピリホスの使用禁止、ホルムアルデヒドの発生量制限、24時間機械換気設備の義務付けということです。
この新しい基準に、各建築業者がどのように対応しているか、尋ねてみるのもよいかもしれません。
●住宅品質確保促進法(品確法)
2000年4月施行という新しい法律ですが、住宅を建てようとしているユーザーにとって、非常に重要な法律となっています。なぜなら品確法は、ユーザーが欠陥住宅をつかまされたり、その結果多大な経済的損失を被ることを防ぐことを主旨として制定されたからです。
住宅は、私たちにとって生涯最も高い買い物の一つであるにもかかわらず、リスクの大きい品物であるといえます。住宅には、購入にあたり次のような不安や問題がつきまといます。
・一般の工業製品のように、性能により会社や住宅を比較することが難しい:
例えば、どんな材料が使用されているのかある程度わかっても、その結果、その住宅がどの程度地震に対して強いのか、火災に対して安全なのか、省エネルギー性はどうかといった比較が困難なのです。
・設計の通りちゃんと建ててくれるのかどうか不安:
設計上は高性能を発揮するはずの住宅も、手抜き工事が行なわれては、まさに絵に描いた餅です。
・欠陥が見つかった場合、ちゃんと直してくれるのかどうか不安:
これまでの法律では、住宅に欠陥が見つかった場合、建築業者が居直り無視、最悪の場合、その住宅を建てた業者が倒産し、ユーザーが泣き寝入りしてしまうというケースも、このご時世十分考えられました。
このような問題点を解決する手だてとして、品確法は登場したのです。そのポイントは次のようなものです。
(一)住宅性能表示制度
住宅の性能表示のわかりやすい共通ルールを設け、ユーザーが住宅相互を比較できるようにします。その信頼性を高めるために、住宅の性能を評価する第三者機関を設けて、性能表示が適切であり、それが確実に行なわれているかを検査します。
その評価項目は、構造の安全性(地震・台風・雪害対策)/火災時の安全性(耐火性能、感知警報、避難対策など)/劣化の軽減/維持管理への配慮(給排水管やガス管の点検、補修のしやすさ)/温熱環境(省エネルギー対策)/空気環境(ホルムアルデヒド対策、換気対策)/光・視環境(開口部面積、位置の配慮)/音環境(遮音性能)/高齢者等への配慮(バリアフリー対策)。
ただし、性能表示は強制ではなく任意ですから、消費者はその住宅の性能評価を知りたければ、評価機関に直接申し込むか、住宅会社に伝えて手配してもらう必要があります。ちなみに、評価は有料です。
(二)住宅に係る紛争処理体制の整備
住宅の欠陥により紛争が生じたとき、これを円滑・迅速に処理するために専門機関を設け、裁判外の紛争処理の道筋をつけます。紛争処理機関については、各都道府県に一カ所設けられています。
(三)十年保証(瑕疵担保責任の特例)
基本構造部分の瑕疵担保責任(欠陥を無償で補修する責任)の十年間義務付け。この保証年数は二十年まで伸張可能で、ユーザーにとっては最も身近な制度といえます。中小規模の工務店では、万が一欠陥が多量に発生した場合や、自社の倒産などのリスクがないとはいえないので、協同組合的な組織に加盟していることが多いようです。また、公的な財団法人住宅保証機構をはじめ、民間の検査機関もここ数年増えてきています。