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(2)これからの住宅のキーワードは「ロングライフ」

情報がない、時間がない、お金がない・・・住宅づくりの現状を見ると、私たち日本人は、住宅に対し、意外に多くを期待していないのではないかと思えてきます。実は、そのことを裏付けるデータがあるのです。
日本はアメリカ、ヨーロッパなど先進諸国の中で、中古住宅の流通や住宅リフォームが最も低調な国といわれています。つまり、他の国に比べて、一度建てた住宅を手直しして長く使う(住む)という考えが乏しいのです。簡単に言うと、日本は住宅の寿命が短い(あるいは、住宅の寿命が短いことを私たちが許している)ということになります。
これには、いくつか理由が考えられます。
ひとつは戦後の住宅不足で、「とりあえず住める家」を大量に建てた結果、寿命の短い家が増えたということです。それから、土地神話の要素があります。戦後からバブル崩壊前夜まで、日本では地価が右肩上がりに上昇を続けました。その結果、日本人の間では「土地さえ持っていれば資産は増えるもの」という考えが常識化し、「ウワモノ、すなわち住宅の価値は二の次」という心理を生み出しました。現実に、年月が経過した不動産の評価は、大半が土地の評価のみ、というのが日本では常識となっています。また、黙っていても土地が値上がりするから、比較的気軽に家を建て替えたり、新築住宅に住み替えたりできるという心理も、土地神話が生み出した住宅軽視の一つの側面です。
さらに、木造住宅が主流という日本の住宅事情が、日本人の住宅に対する価値観を形成したことも見逃せません。徳川幕府の時代、木造家屋が密集していた江戸の地は火災被害が甚大でした。消火設備も不十分で、一度火がつけばあっという間に燃え広がり、多数の家が焼失しました。そのため、人々は家というものはそんなものだと考えるようになりました。「壊れたら建てればよい」このような考え方は、近代に入っても関東大震災や太平洋戦争の大被害により引き継がれ、壊滅的被害を受けてもすぐに立ち直るという日本人のエネルギーにも結びついたのです。
しかし、今日、事情ががらりと変わりました。
ご承知のように、戦後の住宅不足はとっくの昔に解消され、土地神話もバブル崩壊により今は昔となっています。また、住宅の防災性能の強化により、災害による壊滅的な被害を、ことさら心配する必要もなくなりました。なにより、高度成長とバブル景気を経て、日本人の住宅に対する価値観が大きく変化しました。
お仕着せの住宅では満足できず、自分たちのライフスタイル(生活様式)に合わせた計画を、適切なコスト(価格)で実現したいという賢いユーザーが増加しています。適切なコストの中には、建物を建てるときにかかるイニシャルコストとともに、建てた後のコスト、いわゆるライフサイクルコストが含まれます。つまり、クオリティやセンスに優れることはもちろん、資産価値の高い住宅が求められているのです。
これをひとつのキーワードで表すと「ロングライフ住宅」と言えるのではないでしょうか。「ロングライフ」すなわち「長寿」です。住宅の建物そのもの、そしてそこに暮らす人々が長寿命であり、長期間経過しても資産価値が下がらない住宅、それが「ロングライフ住宅」だといえます。
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